学校だより 2月号
関わるということ
副校長 三橋 智子
何年か前のある日。私はあるデパートのバーゲンに立ち寄っていました。特に目当てもなく、気晴らしにぶらぶらと見ていたら、あまり客もいないなか、ある母娘の声が聞こえてきました。「お母さん、そんなことしなくてもいいよ。誰もやってないじゃない。」見ると、お母さんは自分が見ていた服を軽くたたんでもどしています。小学校高学年くらいの娘さんがいらいらした様子で言った言葉でした。それでもお母さんは、服を見ては軽くたたんでもとの場所にもどしています。しばらくして、また娘さんが言いました。「お母さん、そんなこと意味ないよ。」でもお母さんは静かな表情で、服を見ては同じようにしています。それが何回か繰り返された後です。娘さんは自分も服を見ると、黙って服を軽くたたんでもどし、お母さんと一緒に見た後、二人で帰って行ったのです。
子どもは大人の言うとおりにはならないけれど、するとおりにはなるとはこのことだなと思いました。すてきなお母さんとその背中から学んだ娘さんのすてきな様子から、私はなんだか嬉しいような、感動するような気持ちで帰宅しました。
子どもたちは、多くの人との出会いのなかで様々なことを学んでいると思います。学んだことがすぐに成果につながって現れることもあれば、数年後、いやもっと後、十年後に現れることもあります。その上、子どもはある程度の期間にわたって調子を上げたり下げたりしながら変化していくのですから、対応も難しいです。関わる人は随分と心のエネルギーのいることで、簡単にできることではありません。だから、先ほどのお母さんのように、期待しながら待つことによって、人間が変化していくことは素晴らしいことだなと思います。
私たち教員も、地域の方々や周りの方々、子どもたち同士の関わりのなかで、そこから生じてくるものを尊重し、未来の可能性に大いに注目したいと考えております。
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アメリカインディアンには、家庭での子どもの伸ばし方について言い伝えられていることがあります。若いころ見たときには、当たり前と言えば当たり前で軽く考えていましたが、歳を重ね、たくさんの子どもたちとの出会いを重ねていくうちに、この言葉の重さを感じるようになりました。ご紹介します。
ドロシー・ロー・ノールトの詩より
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・子どもは、褒められて育つと、人に感謝するようになる。 |
更新日:2026年01月30日 11:58:51