学校だより 8・9月号

学校だより 8・9月号

戦後80年 平和の大切さを知るために

校長 三宮 尚子


 今年の夏は猛暑、酷暑の日々が続き、最高気温を更新する地域も多くありました。夏季休業中は校舎の工事に伴い、施設利用の制限について皆様にはご理解とご協力をいただきまして、ありがとうございました。1学期も暑い日はありましたが、夏季休業中も「熱中症警戒アラート」が発表される日も多く外出するのも気を付けなければならない日が続きました。そのような中でも学校では工事が行われ、たくさんの工事の方が出入りしていました。暑さ対策として、工事の方々はファン付きのベストを着用して作業されていました。自転車通勤や農園の草取りをする教員・用務も、時にはこのベストを着用して暑さをしのぎながら勤務していました。今日から2学期がスタートとなりましたが、しばらくは暑さ対策を講じながら、過ごしていきたいと思います。

 

 今年は戦後80年ということで、戦争に関する特集が、テレビやネット、新聞等で多くとりあげられています。私の両親は大阪で育ち、父は今年90歳、母は87歳です。この夏に実家に帰り、改めて二人に戦争について話を聞きました。学童疎開があり、両親と離れて過ごした寂しい日々のこと、現在のように食べ物を選ぶことはなく、芋ばかり食べていて、常にお腹が空いている状態だったこと、B29(爆撃機)からの攻撃を免れるために防空壕で怯えながら過ごしたこと、子どもであっても竹槍を持たされて、敵兵のお腹を突く練習をしていたことは、よく覚えていました。また大阪大空襲を経験している二人は、町が焼けて空が真っ赤になっていたことは、今でも目に焼き付いていると話していました。
 戦争に勝つことを何よりも優先とし「お国のために」という考えが広まり、我慢することが多かった時代。あの悲惨な戦争から80年経った今なお、世界では悲しい戦争が絶えません。
1学期の終業式に、私は子どもたちに「おりづるの旅」という本を紹介しました。広島県で原爆が落とされたときに2歳だった女の子のお話です。原爆が落とされたときの放射能の影響で病気になってしまい、12歳で亡くなりました。折り鶴を千羽おると願いがかなうと言われていることから、病気が治るように願いながら、本人も友達も鶴をおり続けたのですが、残念ながらその願いは、かないませんでした。そしてこの悲しみが繰り返されないようにとの願いから、広島平和記念公園に「原爆の子の像」がつくられました。昨年の夏に私も広島へ行き、実際に「原爆の子の像」を見てきました。その像の周りには全国から届いた千羽鶴が、いくつも飾られていました。戦争が終わっても、被爆により苦しんでいた人に思いを寄せて、今の幸せを当たり前とせず、戦争中の人々のつらい生活を想像し、平和への願いと過ちを繰り返さないという強い気持ちをもち続けていくことをこれからも大切にしていき、子どもたちにも、その思いをつなげていきたいと思います。

 

 今年度の学校のスローガン(四小の目標)「一人ひとり個性が輝く明るい四小」が、校庭からも見えるように、7月から体育館の窓に大きく貼られました。これから始まる運動会練習等で校庭に出たときに、この言葉を心に留めながら、一人ひとりが目標に向かって進んでほしいと思います。2学期は、学校公開、運動会、学習発表会、PTA主催の「わくわく映画上映会」が学校であります。また、連雀ジョイナス主催(地域学校協働本部)の「笑顔満祭」や、地域の「三鷹の森フェスティバル」「連雀コミュニティまつり」「市民文化祭」も予定されています。子どもたちが活躍する場面を観る機会が多くありますので、笑顔と励ましの言葉がけを、どうぞよろしくお願いします。

 

四小だより(8・9月号)
 

更新日:2025年08月25日 13:01:38